商品写真の撮り方について

商品写真・物撮りと言っても幅が広く、熟達したプロカメラマンと色んな専門家が集まって1枚のOKカットを得るために2~3時間も使う企業(商品)イメージ写真から、撮影ボックスで撮っていると分かるヤフオク!ストア出店社の商品写真までピンキリです。
このサイトを「商品写真を自分で撮る!」というタイトルにしているのは、売れる商品写真をカメラマンではない一般社員が効率よく、かつ一定のクオリティーで撮るための方法と機材を解説するサイトです。
つまり「それなりのクオリティ」を目指します。
重箱の隅をつつくような、解像感がどうだとか、1000万画素以上ででしか分からない違いにこだわったりはしません。印刷原稿として使うことはあまり考えていません。(写真L版くらいならOKの画質は目指します。)
ECショップで商品撮影を自社・自分で撮る時の問題点
1. クオリティのばらつき
- 撮影スキルが社員によって異なるため、写真の品質が安定しない。
- ライティングや構図がプロと比べて劣り、商品が魅力的に見えない可能性。
2. 機材・環境の制限
- 社内に適切な撮影機材(カメラ、照明、背景紙など)が揃っていないことがある。
- 撮影スペースが狭かったり、光の入り方が不安定だったりすると、見栄えに影響。
3. 時間と人件費の非効率
- 本来の業務の時間を割いて撮影にあたるため、生産性が低下。
- 撮影・編集に慣れていないと、1枚にかかる時間が非常に長くなる。
4. ブランドイメージの統一が困難
- 撮影スタイルが統一されないと、ECサイト全体の見た目に統一感がなくなる。
- ブランドとしての信頼感や印象に悪影響を与える。
5. 編集スキルの不足
- 撮影後の画像加工や色調整などの編集が不十分で、写真の仕上がりが粗いことがある。
6. 法的・著作権的リスク
- 背景に他社ロゴや人が写り込んでしまうと、商品写真にも著作権があるのでトラブルの原因に。
- モデルを使う場合の肖像権管理など、知識がないまま進めると危険。
7. 商品特性の理解不足
- 商品の「売れる見せ方」や訴求ポイントを理解していないと、ただ写っているだけの写真になりがち。
🔧 社員撮影でもうまくやる方法
1. 簡易スタジオ環境の整備
- 白背景(布や紙)、LED照明(影が出にくいタイプ)、三脚など、最低限の機材を揃える。
- 撮影場所は日光の入りにくい室内にして、光をコントロールしやすくする。
2. 撮影マニュアルを作成
- カメラの設定(解像度、明るさ)、構図(斜め45度、真上など)、影の出し方などを統一する。
- 撮影手順をマニュアル化して、誰が撮っても同じ流れで進められるように。
3. 見本となる写真の用意
- 他社の良い例、自社の過去のベストショットを「お手本」として共有。
- 「NG例」も一緒に示すと、どこが悪いか明確になる。
4. 撮影と編集の研修
- 社員向けに簡単な講習やYouTube動画で学習。
- Canva や Lightroom(モバイル版)などの簡単なツールを使って、明るさや色味の調整をする方法を習得。
5. チェック体制を整える
- 撮影後は別のスタッフがチェックして、「ボケていないか」「色が変でないか」などの確認を行う。
- 必要なら再撮影できるような余裕を持たせる。
6. テンプレート構図を用意
- 例えば「正面・斜め・裏面・使用例」などの撮影カットを固定。
- それぞれの構図ごとにカメラの位置や距離も決めておくと、ブレが減る。
凝りに凝った写真を目指さない
ポスターなどに使われている企業(商品)のイメージ写真は前述のように1枚のOKカットを得るために2~3時間かかることは当たり前で、カメラマン以外にもデザイナー、レタッチャー、ディレクター、スタイリストなど色んな専門家が協力して作り上げる商品写真です。
当然このサイトでは問題外です。管理人にも撮れる能力はありません。
もう一つの、一部のECサイトの出品写真も、A、プロが監修しているのか非常に綺麗な物から、B、スマホで撮影し、照明機材など何も使っていないような写真も見受けられます。Bレベルの写真では売れる品物も入れません。
求められている商品写真は?
ネットショップの閲覧・購入もスマホが半数以上になって久しくなりました。小さなスマホの画面では、売れる商品写真≒スマホで見やすい写真≒白背景の写真と思っています。
白背景と言っても、角版写真、切り抜き写真とでは違いがあります。
切り抜き写真はアマゾンの商品写真がサンプルです。他のECサイトも切り抜き写真が増えているように感じます。商品の「 形、色、質感 」を正しく伝えるのが目的です、。「プロダクトカット・説明カット」です。
当サイトの解説も切り抜き写真にウエイトを置いてます。
角版写真は、イメージカットとでも言うと分かりやすいでしょうか?
写真を見た方の購買意欲をそそるのが目的の写真です。多少オーバーな表現をすることもあります。
サイトのトップなどに使われる商品+背景に小物を配置した写真などがこれに当たります。
なるべく物撮り機材に費用はかけない
プロのカメラマンに相談すると後々のリスクをさけるため、定評のある物撮り機材しか(長期間使うような)アドバイスしない傾向があります。
このサイトではなるべく撮影機材にお金をかけないで撮れること、撮影機材もデジカメも消耗品(2~3年は大丈夫)と考えて提案します。
撮影担当者が一番問題かも
撮影業務を担当者を選定して一人に任せると、中長期的にはクオリティーは上がって行きます。
しかし数時間の講習で誰でも撮れるのがECショップの理想でしょう。撮影ー画像のセレクトー画像後処理ーサイト掲載までマニュアル化していければ最強の体制になります。このマニュアル≒ワークフローは各社各様で一概に構築できません。ワークフロー構築ののヒントを可能な限り提供いたします。
人材確保が一番問題かもしれません